表題番号:2024Q-030
日付:2025/04/12
研究課題光学的音響計測による音源近接空間のセンシングと音源の記述
研究者所属(当時) | 資格 | 氏名 | |
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(代表者) | 理工学術院 基幹理工学部 | 教授 | 及川 靖広 |
- 研究成果概要
- 偏光高速度カメラを組み込んだ干渉計を用いた光学的音響計測手法を適用し,動画を撮影することにより音場の可視化計測を行ってきた。その結果,我々が日常的生活で気になりやすい周波数帯域,音圧レベルの音に対してサブミリオーダの時間空間分解能をもつ可視化計測法の確立し,可視化計測結果に対して物理最適化信号処理やスパース信号処理を適用し音響現象として音源を記述,音源と音場を統一的に扱う手法を確立してきた。本研究課題では,残されている課題の解決とシステムの高度化に取り組んだ。具体的には,PINNsと呼ばれる物理法則を組み込んだ深層学習技術を適用し,計測結果のノイズの影響の除去,複数方向からの同時計測の実現と三次元音場の復元手法を確立した。また,計測領域内に物体がある場合などの複雑な計測条件での適用やインんパルス応答の計測への適用を検討した。以下の項目について取り組んだ。1.物理法則に基づいて学習するニューラルネットワークを用いた方法、生成モデルを用いた方法を提案、実装し、それらの性能比較を行った。2.光学的音響計測の測定結果は光路上の音圧が積分されたものとして計測される。そのことを物理法則に基づいて学習するニューラルネットワークのロス関数に組み込む方法を提案し、それがノイズ除去や音場復元に有効性であることを示した。3.物理法則に基づいて学習するニューラルネットワークを用いて、複数方向からの計測結果から三次元音場を復元する手法を確立した。4.計測領域内に物体を含む場合など、様々な音場計測への適用を通じ提案手法が有効であることを明らかにした。5.光学的音響計測を用いた音源近傍のインパルス応答計測を実現した。複数方向からインパルス応答を計測し、その結果からインパルス応答の三次元分布を復元する手法を確立した。6.学会発表を多数行った。