表題番号:2024Q-029
日付:2025/04/09
研究課題民主主義社会を支える表現の自由をどう教えるか
研究者所属(当時) | 資格 | 氏名 | |
---|---|---|---|
(代表者) | 本庄高等学院 | 教諭 | 羽田 真 |
- 研究成果概要
- 本研究課題においては、昨年度までの研究を継続し、特に公民科の授業において「表現の自由」をどう教えるかを理論と実践の両面から検討した。これまでの研究では、メディア規制について焦点を当ててきたが、本年度については表現の自由の自己統治の価値ではなく自己実現の価値に注目し、その重要性をどう評価するかについて考えてきた。実践面では、生徒との対話を通じ、主に性的な表現や扇動的な表現について、なぜそれが規制されうるのか、あるいはその規制の限界はどのように判断されるべきかを実例をもとに考察させた。表現の自由が政治的な言論に限らず、人間が人間らしく生きていくために不可欠な人権であり、自己実現の価値の重要性もそこにあるという点を考えさせることになった。また、これまでに引き続き、日本と類似した教育制度や教育課程をもつ韓国を対象に、高等学校で「表現の自由」をどう教授しているかを調査することになった。また、高校生にとっての表現の自由がどのような価値を有しているか、韓国の社会科教員に直接聞き取ることができた。日韓の生徒どうしの対話により、国家における自由観の違いを感じることができ、多角的・多面的な考察を深めることができると感じた。成果については近い将来に公開の機会を得たいと考えている。