表題番号:2024Q-026
日付:2025/03/01
研究課題移動の時代の「海外の日本語教育」の研究
研究者所属(当時) | 資格 | 氏名 | |
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(代表者) | 国際学術院 大学院日本語教育研究科 | 教授 | 福島 青史 |
- 研究成果概要
本研究では、2024年9月から2025年3月までの特別研究期間を活用し、主にベトナムを拠点に東南アジア地域における日本語教育の現状と課題について調査を行った。調査の中心となったベトナムにおいては、ハノイ、ダナン、ホーチミンの各都市を訪問し、国際交流基金や外国人労働者の送り出し機関、さらには現地の日本語学校との対話を行った。これにより、地域ごとの日本語教育事情に関する生の声や具体的な事例を得ることができた。
ベトナムでの調査を基盤に、カンボジア(プノンペン、シェムリアップ)、ラオス(ビエンチャン)、ミャンマー(ヤンゴン)にも出張し、同様に日本語教育の現場における課題や特性についての情報収集を行った。各国の送り出し政策が日本語教育に及ぼす影響はそれぞれ異なり、特に労働者の送り出しと日本語能力の関係が重要な要素であることが確認された。
また、国際交流基金への訪問を通じて、現地の日本語教育支援プログラムに関する意見交換を継続的に行い、現地教師の研修や教材開発における課題についても議論した。これにより、現場のニーズを反映した効果的な支援策の方向性を検討する機会となった。
これらの活動を通じて、各国の送り出し政策が教育現場に与える影響の一端を掴んだ。また、特にベトナムにおいては現地の教育機関や関係者とのネットワークを構築し、今後の共同研究や情報交換のための基盤を整えることができた。今後は、これらのネットワークをもとに、特に日本との関わりに注視し、日本語教育の改善に向けた政策提言を行いたい。