表題番号:2024Q-023 日付:2025/03/25
研究課題ゲノム編集技術を応用した食事および運動介入による加齢性疾患予防の分子機構解析
研究者所属(当時) 資格 氏名
(代表者) 人間科学学術院 人間科学部 教授 千葉 卓哉
研究成果概要
我々が同定した新規のインスリンシグナル関連分子であるWDR6を全身性にノックアウトしたマウスとレプチン欠損による過食と肥満を呈するob/obマウスとを掛け合わせ、その表現系を解析した。その結果、WDR6欠損ob/obマウスは体重が減少し、内臓脂肪、皮下脂肪共に減少することが確認された。また肝臓重量も低下した。このことはWDR6をノックダウンした細胞が脂肪細胞に分化しにくいことと関連しているものと思われる。特に肝臓重量の減少はNASHの発症防止に関わることも示唆される。また、血中および脂肪細胞におけるアディポネクチンの増加がWDR6欠損ob/obマウスでみられたことから、このことが全身の脂肪量と関連していることが示唆された。今後は、各組織におけるタンパク質発現を解析し、どのような分子が活性化しているかをさらに詳しく解析する必要がある。