表題番号:2024Q-018
日付:2025/03/31
研究課題超低共振周波数MEMS共振器を用いたセンサの研究
研究者所属(当時) | 資格 | 氏名 | |
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(代表者) | 理工学術院 大学院情報生産システム研究科 | 教授 | 池橋 民雄 |
- 研究成果概要
- 本研究では共振周波数が極めて低いMEMS共振器を作成し、振動計・地震計・重力計に応用することを目指している。これまでの研究でデバイスの製造プロセスを完成させるとともに、1Hz以下という極めて低い共振周波数をもつMEMS共振器を実現した。このデバイスの動作検証はこれまで真空チャンバー内で行っていたが、振動計・地震計・重力計として実用化するためにはこの真空状態を小型のパッケージ内で実現し、屋外でのセンサ評価を行えるようにする必要がある。本研究では、この真空封止パッケージの実験に使用するためのデバイスを試作した。具体的には、溝を形成したガラスウェハとシリコンウェハを陽極接合したのち、シリコンウェハを貫通する深堀加工を施してデバイスを作成する。陽極接合は京都大学ナノテクノロジーハブ拠点で実施し、それ以外のウェハ加工は九州工業大学にて実施する。このウェハ加工作業は博士課程3年の学生(WU, Jun)が中心となり、他の修士課程学生2名に作業手順を教えつつ進めた。なおWU氏には研究補助者としての人件費を支払っている。作業方法を伝授しつつ進めたため当初より試作に時間を要したが、結果的に本試作で合計5枚分のウェハ加工を完了させることができた。なお当初の計画では、①真空封止パッケージの実験に使用するためのデバイスを試作する、②これまで大気圧下で実施していたフィードバック制御を真空下で実現できるよう制御方法を改良する、の2点を目標としていたが、②に関しては真空封止サンプル取得後に実機で検証する方針に変更したため、現時点では未着手である。一方①に関しては当初想定していた作業を全て完遂させることができた。現在、本研究で作成したチップを用いて真空封止実験を進めているところである。