表題番号:2024Q-017
日付:2025/04/12
研究課題社会に受け入れられる事故復旧性スーパー高速炉概念の研究
研究者所属(当時) | 資格 | 氏名 | |
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(代表者) | 理工学術院 大学院先進理工学研究科 | 教授 | 山路 哲史 |
- 研究成果概要
予見困難で多様な社会ニーズの変遷や原子炉過酷事故が生じても、それらに柔軟に対応できる水冷却炉概念の創出方法を、Multi-Level Physicsシミュレーションによる概念設計で示すことを目標に本研究では、超臨界圧軽水冷却炉SCWRの特性を生かし、過酷事故時に原子炉圧力容器RPV外周を冠水してRPV外部から内部の燃料デブリを冷却するPWRの炉容器内終息In-Vessel RetentionIVRと、BWRと同様な圧力抑制室S/Cを備えた格納容器PCVを組み合わせたIVR-S/Cプラント概念を概略構築した。主蒸気配管100ギロチン破断後に注水に失敗する設計基準を超えた冷却材喪失事故を例に事故進展解析を実施した結果、崩壊熱除去系が喪失したとしても、事故進展中にその機能が一部回復すれば格納容器ベントを回避できることを示した同様な条件で、IVRを実施しない場合は格納容器ベントが不可避であった。また、事故時に燃料デブリの再臨界を回避し、内部の高汚染区域を限定した新しいIVR-S/Cプラント概念を炉心設計に立ち戻って示した。これにより、事故対策及び終息後の廃炉作業性を抜本的に改善し、究極的には過酷事故からの復旧・再稼働も可能とするための技術的な道筋を示すための基礎概念を構築した。