表題番号:2024Q-004 日付:2025/04/30
研究課題グローバルな視野からみる和漢の「文」と日本古典籍をめ ぐる学術文化史研究
研究者所属(当時) 資格 氏名
(代表者) 文学学術院 文化構想学部 教授 河野 貴美子
研究成果概要
 本研究においては、以下にあげる2つの柱を立てて研究を進めた。1つめは、日本における日本古典学研究と中国における中国古典学研究を接続し、グローバルな視野からの古典学研究を推進するために、北京大学中国語言文学系と連携し、中日古典学ワークショップを開催した。これは、2018年以来継続開催してきた研究活動であるが、第五回となる今回は、「文と名物、図像」をテーマとして早稲田大学にて11月9日、10日に開催したもので、中日双方合わせて20名の教員による発表と、10名の大学院生、キャリア初期研究者による発表が行われ、本テーマにかかわる認識や思考を深め、中日古典学における文と物と図像のありようを改めて見直す機会となった(https://www.waseda.jp/flas/rilas/news/2024/11/11/13677/)。なおこの成果は今後論集として公刊していく予定である。2つめは、高麗大学校図書館所蔵の崔南善の旧蔵書、六堂文庫をめぐる高麗大学校漢字漢文研究所との共同研究である。崔南善は、近代に新たな学術体系が形成されていく中で国際的な視座から学問に取り組んだ人物であり、国を跨いで書籍の蒐集に努め、今もって有益な資料群を残した人物である。崔南善の足跡と蔵書を通して東アジアの学問の近代化を考察すべく、まず2024年8月28日に高麗大学校にて「早稲田大・高麗大共同ワークショップ:崔南善の蔵書、出版、思想をめぐって」(高麗大学校漢字漢文研究所・高麗大学校図書館・早稲田大学総合研究機構日本古典籍研究所・早稲田大学総合人文科学研究センター角田柳作記念国際日本学研究所共催、本研究課題後援)を行い、共同研究を推進していくための基盤を築いた。その後も当該の研究を継続しており、2025年度以降も調査、研究を推進していく計画である。