表題番号:2024E-026
日付:2025/02/24
研究課題Synthesis of chiral benzosilole derivatives with rigid substituents
研究者所属(当時) | 資格 | 氏名 | |
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(代表者) | 理工学術院 先進理工学部 | 助手 | 呉 雨宸 |
- 研究成果概要
- 本研究の目標は、従来のらせん構造由来のキラリティーではなく、堅固な置換基の立体反発に誘起されるキラリティーを有する新規なベンゾシロールのエナンチオ選択的合成である。最初は2,2'-dibromo-6,6'-diiodo-1,1'-biphenylとアリールアルキンを基質として用いて根岸カップリングを行い、ジブロモジアルキニルビフェニル体を合成した。さらに有機リチウム試薬を用いて、アリールアルキニル基を有する新規なベンゾシロール誘導体の合成を達成した。光学活性カラムを用いた高速液体クロマトグラフ(HPLC)法により、合成したベンゾシロール誘導体のキラリティーを確認できた。一段階目の根岸カップリングにおける反応条件を検討した結果、エナンチオ選択的にジブロモジアルキニルビフェニル体の合成を達成したが、収率が低いため、次の段階の反応への展開が困難だった。ジブロモジアルキニルビフェニルのラセミ体を原料として、キラルな有機触媒と有機リチウムを用いて反応させた結果、生成物は痕跡量でしか得られなかった。今後の目標は、合成ルートの再検討と、ベンゾシロールのケイ素を他のヘテロ原子に変換して新規なキラル分子の合成である。