表題番号:2024E-021 日付:2025/01/14
研究課題人間とソフトウェアシステムの高度な協調作業のための実行時責務適応フレームワーク
研究者所属(当時) 資格 氏名
(代表者) 理工学術院 基幹理工学部 助手 李 家隆
研究成果概要
人間と協調作業するソフトウェアシステムを設計する際に、人間とシステムそれぞれが果たすべき責務の明確化が求められる。高度な協調作業を実現するには、責務が動作環境に応じて変化・適応する必要がある。従来の研究では、責務(要求・要件とそれを実現するエージェントの対応関係)は開発時に決められた以降固定的なものとして扱われており、実行中に環境に応じて変更・適応(adaptation)する動的な要素として扱われていない。責務を動的な要素として扱うには、動作環境の変化を開発時に想定し尽くし、あらゆる動作環境にも対処できる適応ルールを開発時に準備するのは困難である。本研究は、動作環境コンテキストとシステムの各側面を表現するモデル(要求モデル、動作仕様モデル)など実行時の情報を活用し、実行時に適切な責務を推論することで、実行時に責務の適応を実現するフレームワークを提案する。本年度では、複数分析粒度を活用した推論手法を提案し、色弱者サポートなど実アプリへの応用を試みた。