表題番号:2024E-005 日付:2025/04/02
研究課題『白山大鏡第二神代巻初一』の基礎的研究
研究者所属(当時) 資格 氏名
(代表者) 文学学術院 文化構想学部 助手 山吉 頌平
研究成果概要
 『白山大鏡第二神代巻初一』の研究基盤形成のため、史料の読解や関連資料の調査を行った。当初の計画では、岐阜県の石徹白地区における調査も行う予定であったが、積雪の影響によりいずれの調査予定日も不可となり、石徹白地区での史料調査は延期となった。
 『白山大鏡第二神代巻初一』の形成過程や成立環境を明らかにするため、主に石川県・福井県で関連史料を調査するとともに、同書からの引用や、共通する内容を持つ史料、『白山禅頂私記』・『白山権現鏡之巻』・『白山豊原寺縁起』・『白山之縁起(鏡卷)』・『泰澄記』などの読解を行った。これにより、白山信仰史における同書の影響の大きさの一端を明らかにするとともに、副次的に、『白山大鏡』の影響を受けた書物の成立年をめぐっても新見解を得るに至った。これらの研究成果は、博士学位申請論文の一部として令和6年度に早稲田大学位に提出した他、近いうちにも学術論文の形で公表する予定である。