表題番号:2024C-741
日付:2025/04/01
研究課題災害後の復興-地域づくりにおける主体間の関係プロセスに関する質的研究
研究者所属(当時) | 資格 | 氏名 | |
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(代表者) | 社会科学総合学術院 社会科学部 | 講師 | 清水 健太 |
- 研究成果概要
今後5年程度の中長期的な研究を想定して、次の通り調査を行い成果を得た。
令和6年能登半島地震で大きな被害を受けた石川県珠洲市N町では、2024年4月からほぼ毎月一回、今後のまちづくりや生業振興に向けた話し合いや意見の取りまとめを行うための「復旧・復興会議」を住民主体で開催している。N町での質的調査を、主にこの「復旧・復興会議」に参加する形で行った。当初の計画では、N町の今後の復興-地域づくりに関わる主体間の関係のうち、N町が積極的に受け入れているさまざまな外部主体(ボランティアなど)と地域住民との関係に着目する計画だった。だがN町では、復興-地域づくりに向けた地域住民の意見や取り組みへの参加度合いに相当の違いがあり(そしてその課題を一部住民を中心に様々な工夫をしながら乗り越えようとしている)、それゆえ地域住民と外部主体の関係のみならず、地域住民同士の関係にも着目し研究を進める必要があることがわかった。
「復旧・復興会議」の調査時にはまた、復旧・復興会議の運営事務局が行っている住民向けのオンライン配信とアーカイブをサポートする活動も合わせて実施した。回数を重ねることで、調査者が果たせる役割はより確かになっている。また同時に、会議内容の文字情報への書き起こしなど今後取り組むべき課題も明確になった。
上記の質的調査に加えて、N町に関する文献の書誌情報を整理し、一部を複写・取得した。N町で調査を進める上でおさえておくべき基礎的な情報の一部を把握するとともに、今後取得すべき情報の量や要する時間の目処を立てることができた。
本研究の成果の一部は、2025年6月に開催される日本生活学会第52回研究発表大会のラウンドテーブルセッションにて報告予定である。