表題番号:2024C-726
日付:2025/04/03
研究課題昆虫のフ節を規範とした劣駆動脚を備える小型樹木登攀ロボットの設計論の構築
研究者所属(当時) | 資格 | 氏名 | |
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(代表者) | 理工学術院 創造理工学部 | 助手 | 石橋 啓太郎 |
- 研究成果概要
- 本研究では,昆虫のフ節を規範とした劣駆動脚を4脚備えた小型脚ロボットを開発した.ボディのサイズは35[mm]×70[mm]×18[mm],脚長は42[mm]である.このフ節規範型劣駆動脚は昆虫の脚の先端に位置するフ節(前フ節を含む)の屈曲・伸展機構を超弾性合金シートと形状記憶合金アクチュエータ(以降SMAアクチュエータと記す)で再現した脚であり,2022年の自身の論文のものを改良し,さらにボディと脚の間にヨー軸まわりの回転自由度を追加したものである.この回転に必要な力は脚の伸展に必要な力に比べて小さいため,他の箇所で使用している発揮力に優れるワイヤ状のSMAアクチュエータではなく変位量に優れるコイル状のSMAアクチュエータを採用している.これによって,前脚と後脚の間隔を短く維持することができ,機体の小型化を実現している.また,本機体にはこれまで開発していた機体には搭載されていなかった制御基板を搭載している.ボディのサイズに対して,搭載する必要のあるマイコンやMOSFET等の電子部品の数が多く,SMAアクチュエータとの接続のためのコネクタのサイズも大きかったが,脚の可動域を考慮した基板形状と表面実装部品の利用により昆虫と同等のサイズを実現している.制御基板を搭載したことで,12本のSMAアクチュエータとGNDの分だけ外部基板までのびていた合計13本の電線が,外部電源までのびる2本の電線のみとなり,機体の直進性やペイロードへの電線の影響が大幅に低減された.今後は,本研究で開発したロボットを用いた実験結果を踏まえて,フ節規範型劣駆動脚を備える4脚ロボットの樹木把持モデルと樹木登攀モデルを新たに構築し,以降新たなモデルに基づいた機体の開発を通したモデルの妥当性の検証とモデルの修正を繰り返し,最終的に設計論の構築を目指す.