表題番号:2024C-682 日付:2025/04/04
研究課題グローバルな法秩序における法の支配の再定位
研究者所属(当時) 資格 氏名
(代表者) 法学学術院 法学部 教授 郭 舜
研究成果概要

近年の科学技術の発展は、人間行動を規律する新たな方法による支配・統治を可能にしつつある。ビッグデータの利用により、これまで不可能だった人間行動の微細な誘導が可能となり、感染症対策や犯罪防止、さらには投票行動の操作にも応用される例が登場している。このような中で、法の支配という古くからの理念が何を意味するのかを再確認する必要性が高まっている。本研究では、それが自律と結びついていること、およびそれがグローバルな法秩序を支える不可欠な理念であることを示した。さらに、個人が法の支配の下に置かれているといえるための条件を特定し、それに基づいて現在のグローバルな法秩序の正統性(legitimacy)とその課題について明らかにした。その成果の一部は、今後共著書の中で公表する予定である。