表題番号:2024C-665
日付:2025/02/04
研究課題革新的分析手法で迫る脊椎動物の陸上進出
研究者所属(当時) | 資格 | 氏名 | |
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(代表者) | データ科学センター | 講師 | 久保 泰 |
(連携研究者) | 東京大学新領域創成科学研究科 | 准教授 | 久保麦野 |
(連携研究者) | 早稲田大学国際学術院 | 教授 | 平山廉 |
- 研究成果概要
- 本研究では、歯に残された微細な傷から食性を復元し、デボン紀から石炭紀にかけての脊椎動物の陸上進出時に起きた食性の進化の解明を目指している。2024年度には既に給餌実験を終えていた原始的な条鰭類であるポリプテルス12体の歯に残されたマイクロウェアのスキャンを主に東京大学新領域創成科学研究科の久保研究室にある共焦点レーザー顕微鏡VK-X3000を用いて進めた。右下顎頬側の歯について残されているものについては全てスキャンをした。実験に用いた餌はペレット、エビ、ドジョウ、ミールワームであり、これから歯の摩耗や欠損と餌および給餌期間の関係を明らかにしていく予定である。これらの結果は陸上に進出した基盤的四肢動物の歯に残された微細な傷から食性を探る上での基礎資料となる。また同様に歯に残された傷を用いて、岩手県久慈市から産出した白亜紀の絶滅ワニの食性を推定する研究も行った。既に採取されていた給餌実験を行ったアメリカンアリゲーターの歯の微細な傷について、エナメル表面の緩やかな凹凸形状を平坦化する新たなフィルタリング手法を適用することで、より食性復元の精度が高まることを明らかにし、その新手法を適用することで、久慈市の絶滅ワニはかなり硬いものを食べていた、おそらくは大型の脊椎動物を捕食していることを明らかにした。本研究内容については当該のワニの分類も含めた内容を国際学術誌に投稿中である。