表題番号:2024C-651
日付:2025/04/03
研究課題ポスト・ウダヤナ期の議論学文献に関する基礎研究
研究者所属(当時) | 資格 | 氏名 | |
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(代表者) | 高等研究所 | 講師 | 須藤 龍真 |
- 研究成果概要
- 本研究課題では、インド思想史において認識論・論理学の伝統を保持したニヤーヤ学派の新旧を分かつ一つの分岐点とされるウダヤナ(11世紀頃)前後のニヤーヤ学派の議論学文献の調査を行った。ウダヤナ著『ニヤーヤパリシシュタ』を基盤として彼以降の(新)ニヤーヤ学派は、ときに彼に批判を加えながらニヤーヤ議論学を発展させる。また、その説はヴェーダーンタ学派などの他学派においても批判的に継承されている。その受容・非受容を検証すべく、文献学的手法に基づき、ポスト・ウダヤナ期の議論学文献の調査を行った。具体的には、基礎研究に必要不可欠な一次資料の蒐集のため、インド、チェンナイ及びヴァラナシの図書館等において、マニカンタミシュラ著『ニヤーヤラトナ』などのニヤーヤ議論学文献を中心としたサンスクリット貝葉・紙写本の調査・発注を行った。また、ニヤーヤ学派の幅広い発展年代にあわせて、その初期の様相や仏教等他学派あるいは現代思想との比較思想的観点から二次文献を渉猟し、第11回ディベート教育国際研究会大会(2025年3月)における報告「古典インド議論学における論証と修辞法の連関」などを通して成果を公表した。なお、本研究課題は早稲田大学高等研究所における研究課題(2023-2025年度)と関連する。