表題番号:2024C-649
日付:2025/04/03
研究課題基底状態探索のための量子アルゴリズム開発
研究者所属(当時) | 資格 | 氏名 | |
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(代表者) | 高等研究所 | 講師 | 白井 達彦 |
- 研究成果概要
- エネルギー関数の最小値をとる状態である基底状態は,組合せ最適化,量子物性,量子化学などの分野で重要な役割を果たす.本年度は,ゲート型量子計算機や量子アニーリング計算機といった量子計算機を用いて基底状態を探索するための量子アルゴリズム開発に取り組んだ.具体的には,組合せ最適化問題がもつ制約を満足する空間を生成する手法を開発し,変分法と組み合わせることでその空間内で基底状態を探索する量子アルゴリズムを開発した.この成果を,AQC2024の国際会議で発表し,また論文としてまとめarXivに公表した. また多数のキュービットが集まった量子多体系である量子計算機の普遍的な性質を理解するため,量子多体系の動的現象についての研究を進めた.具体的には,前年度より進めている緩和現象と情報スクランブリングとの間の関係についての研究を,24thAQISの国際会議で発表し,Physical Review Lettersに出版した.また長距離相互作用系の情報スクランブリングの性質を解析する計算手法を開発し,日本物理学会で発表し,また論文としてまとめarXivに公表した.