表題番号:2024C-624
日付:2025/04/02
研究課題ジョセフィン=バトラーの公娼制度廃止運動についての諸研究
研究者所属(当時) | 資格 | 氏名 | |
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(代表者) | 本庄高等学院 | 教諭 | 三枝 亮也 |
- 研究成果概要
- イギリスのジョセフィン・バトラーJosephine Butlerはイギリス国内における娼婦の惨状を改善するためには、イギリス国内ではなくヨーロッパ全体の貧困女性の状態を改善することが必要であると考えた。とりわけ、公娼制度が確立し娼婦に厳しい抑圧を加えていたフランスでの状況改善が必要であるとし、2回フランスを訪れ、当時盛り上がりを見せていた、イヴ・ギヨYves Guyotを中心とする公娼制度廃止運動に関わった。ギヨらは自由な売買春を求める一方で、バトラーは最終的な道徳の改善による公娼制度、さらには売買春の消滅を掲げる等、運動の中には公娼制度並びに売買春に関する様々な考えが存在したが、女性の権利を抑圧するものとする公娼制度廃止という大きな点では一致していた。バトラーはフランスにおける公娼制度廃止運動に大きく携わり、その後の制度廃止に関する委員会における決議でもバトラーの意見が大きく取り入れられるなどフランスにおいても大きな影響力を持ったことが明らかとなった。