表題番号:2024C-619
日付:2025/04/01
研究課題higher spin Dirac作用素に関する研究
研究者所属(当時) | 資格 | 氏名 | |
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(代表者) | 高等学院 | 教諭 | 富久 拓磨 |
- 研究成果概要
- Dirac作用素とRarita-Schwinger作用素は,数学や物理学において,様々な研究がなされている.本特定課題では,Dirac作用素やRarita-Schwinger作用素を一般化したhigher spin Dirac作用素の性質を探ることを目的として,研究を行った.昨年度に引き続き,以前の研究成果である定曲率空間におけるhigher spin Dirac作用素の因数分解公式から得られる性質をいくつかの特別なリーマンスピン多様体に拡張しようと努めた. 拡張先の1つとして対称空間を考えた.以前の研究において,対称空間におけるRarita-Schwinger作用素の固有値を計算する方法を与えた.本研究ではhigher spin Dirac作用素の場合にも対称空間上で固有値の計算を行うことを目的として,因数分解公式を拡張しようと試みた.拡張先としてもう 1つ, 6次元球面をモデルとした性質を持つ概エルミート多様体であるnearly Kähler多様体を考えた.Laplace作用素とDirac作用素やRarita-Schwinger作用素の関係については知られている事実が多くあるため,Laplace作用素とhigher spin Dirac作用素の関係を通じて結果を得ようとした.この関係の導出のためにnearly Kähler多様体の曲率の性質を用いて計算を進めていくことが引き続き課題となる.いずれの研究も進行中である.他にも,Seiberg-Witten方程式の類似であるRarita-Schwinger-Seiberg-Witten方程式について,また,Rarita-Schwinger作用素の局所指数定理について,先行研究の調査を行った.それらの先行研究をhigher spin Dirac作用素の場合へと拡張することも今後研究を進めていくべき対象であると考えている.