表題番号:2024C-611 日付:2025/04/04
研究課題短期海外研修を受け入れる側の研修の意義と役割-互恵性から研修の持続性へ
研究者所属(当時) 資格 氏名
(代表者) 国際学術院 大学院日本語教育研究科 助手 小西 達也
研究成果概要
本研究の目的は、日本の高等教育機関が海外の機関に学生を送り出している短期海外研修の中で、日本語専攻の学生を有する海外の高等教育機関を取り上げ、受け入れ側である海外機関の視点に立って、研修の意義と役割を明らかにすることである。ベトナムで日本語専攻の学生を有する高等教育機関に限定し、①短期海外研修受け入れ機関の研修を統括する教員へのインタビュー調査、②短期海外研修受け入れ機関の研修に携わる現場教員へのインタビュー調査から、短期海外研修の意義と役割を分析した。インタビュー調査は、ベトナムの北部・中部・南部にある大学6機関16名に対して行い、実際に受け入れている研修の実施経緯、実態、困難点、研修を受け入れる側の受け入れ目的、受け入れる利点などを話してもらった。短期海外研修は、日本の学生が現地の大学生に日本語を教える「日本語教育実習型」、日本の学生と現地の大学生の交流を主とする「学生交流型」、日本の学生が大学だけではなく、現地の様々なところを訪問し、課題を遂行していくような「訪問・課題遂行型」の3つの型におおよそ分類できた。研修受け入れ機関の受け入れる主たる目的は、型による大きな差異はなかったが、利点として捉えられている部分には差異が見られた。また、受け入れ機関の受け入れ態勢の整備具合によって、研修の準備段階、実施段階で生じる問題や困難点の違いも見られた。 研修を送り出す側と受け入れる側双方に互恵性のある研修にするための検討材料を提示し、今後送り出し側と受け入れ側双方の互恵性の観点から、短期海外研修に対するプログラム評価の研究の活性化につなげる。これまでの研究成果をまとめ、国内、および国際学会にて今後発表する。