表題番号:2024C-604
日付:2025/03/30
研究課題サステイナビリティとグローバルヘルス〜世界保健機関(WHO)と国連気候変動枠組条約(UNFCCC)締約国会議(COP)における「気候と健康」に関する合意形成
研究者所属(当時) | 資格 | 氏名 | |
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(代表者) | 国際学術院 大学院アジア太平洋研究科 | 教授 | 勝間 靖 |
- 研究成果概要
- 気候変動と人びとの健康との関係について、これまで、十分な関心が払われてこなかった。しかし、実際、気候変動は、直接的および間接的に、人びとの健康とウェルビーング(well-being)への影響を高めていく。また、逆に、保健医療分野での活動が、温室効果ガス(greenhouse gas: GHG)を排出し、気候変動に加担してしまっている側面もある。近年、ようやく、国際関係において、気候変動と人びとの健康との関係が、注目されるようになってきた。本研究では、こうした、「気候と健康」に関する国際的な合意形成を分析した。まず、世界保健機関(World Health Organization: WHO)において、とくに2008年以降、気候変動が健康に与える悪影響について、国家間の議論が高まってきたことを振り返った。次に、国際連合(国連)気候変動枠組条約(United Nations Framework Convention on Climate Change: UNFCCC)の締約国会議(conference of the parties: COP)において、とくに2021年以降、健康とウェルビーングが議論されるようになってきた経緯を考察した。そして、WHOとUNFCCC-COPでの「気候と健康」に関する議論の高まりが、国際的な合意形成につながり、2023年の『気候変動と健康に関するUAE宣言』の採択に至ったことの意義を指摘した。