表題番号:2024C-591
日付:2025/04/05
研究課題島しょ郡限界村落における特定空き家の空間分析と対策
研究者所属(当時) | 資格 | 氏名 | |
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(代表者) | 国際学術院 国際教養学部 | 教授 | 大門 毅 |
(連携研究者) | 茨城大学 | 教授 | 野田 真里 |
- 研究成果概要
- 「島しょ郡限界村落における特定空き家の空間分析と対策」の事例として、沖縄県宮古郡多良間村を訪問し、空き家調査を実施した。(2025年2月)多良間村(村役場)の許可を得て、実査をしたほか、観光協会、観光業、スーパーなどでのヒアリングを行った。多良間村の家屋は事前に行った長崎市の空き屋調査の結果とは異なり、空き家であっても近所の呼びかけで比較的メンテナンスは良好で、表向き空き家であるかを判明することは困難であった。表札や新聞等で外形的に空き家と思われるものを、GPS情報を入力できるGISアプリを用いて入力し、地図上に表示した。空き家であっても、周辺の島(宮古島、石垣島など)で居住する地権者が土地・家屋の売買に応じるケースが少なく、また、同島は人口約1000人で毎年人口減少していることから、収益性を見込んだビジネスもないため、空き家の有効活用は図られていない。ただ、観光客やボランティアを中心に島外からの訪問客は一定数あり、宮古島、石垣島からの直行便もあることから、経済的に孤立しtしている状況にはない。観光協会にはリモートワーク専用のコワーキングスペースも完備しており、デジタルノマドなど長期滞在者にとっても快適に滞在可能である。人出不足によるオーバーツーリズムが今後問題になってくることも考えられ、島の限られた宿泊施設もほぼ満室状態にある。空き家を利用した宿泊ビジネスなどが島の振興策として考えられる。研究成果は国際開発学会(2025年6月)に発表予定。