表題番号:2024C-588
日付:2025/02/04
研究課題大学生アスリート向けスポーツ・インテグリティ教育プログラムの検討
研究者所属(当時) | 資格 | 氏名 | |
---|---|---|---|
(代表者) | スポーツ科学学術院 スポーツ科学部 | 助教 | 安永 太地 |
- 研究成果概要
- 本研究では、大学生アスリートのスポーツ・インテグリティに関する教育プログラムの開発を目的として、安全人間工学のヒューマンエラー理論を応用した教材の作成を進めている。初年度の活動として、大学生アスリートの不祥事に関する先行研究の整理を行い、薬物使用やハラスメントなどのリスク要因を分析した。その結果、既存の啓発活動は知識伝達型の講義やポスターが中心であり、当事者意識の欠如が課題として挙げられている。そこで、本研究では当事者意識を促すためにサボタージュ分析を援用した教育手法を取り入れた。安全人間工学の分野におけるリスクマネジメント理論の1つであるサボタージュ分析は、「事故を起こす」ことを目標として設定し、それを達成するための手段や状況を考えた上で、対策を講じる手法である。他領域ではこの手法が学習者の当事者意識を促すことに有効であることが示されており、アスリートのリスクマネジメント教育にも活用可能であると考えた。次年度は、開発した教材を用いた教育実践を予定通り実施し、その効果を測定する。具体的には、介入前後の比較調査を行い、大学生アスリートのリスクへの当事者意識の変化を分析する。さらに、研究成果を学術論文として発表するための準備を進めており、得られたデータを分析し、国内体育系学会への投稿を目指す。