表題番号:2024C-566 日付:2025/04/13
研究課題日英2言語の単語リストを用いた虚記憶の生成過程の検討_3
研究者所属(当時) 資格 氏名
(代表者) 人間科学学術院 人間科学部 講師 川崎 弥生
(連携研究者) University of Northern British Columbia Assistant Professor J. Nick Reid
研究成果概要
実際には起こらなかったことを、実際に起こったこととして誤って思い出すことを虚記憶という(Roediger & McDermott, 1995)。申請者は、この虚記憶の生成過程を単語リスト学習パラダイムで検討してきた。このパラダイムでは、単語の連想関係を基に、実験参加者に1つの非提示語を連想させ提示語として誤って想起するように作成された単語リストを用いる。しかし同じように連想基準表の連想価を基に単語リストを作成しても、その単語リスト毎に虚記憶の虚再生率が異なる(e.g., 宮地・山, 2001)。本研究では、これまで申請者が作成した日本語と英語の単語リスト(Miyaji-Kawasaki, Inoue, &Yama, 2004)の性質をCann, McRae, & Katz (2011)を参考に、虚記憶の生成率がリスト語からの連想価だけでなく、同意語や反意語の数、単語の品詞などから予測したり、日本語リストの意味的関連性の強さが虚記憶の生成に及ぼす影響を調べたりしてきた。今年度は、University of Northern British Columbia(Canada)のJ. Nick Reid博士と共に、NLPL word embedding repositoryを用いた分析に着手した。現在分析途中であり、分析が終わり次第英語論文として投稿予定である。また、本研究を基に立案した研究計画が2025年度の科研費に採択された。