表題番号:2024C-565 日付:2025/02/21
研究課題女性中堅社員を対象とした経験学習と価値観・信念の質的研究
研究者所属(当時) 資格 氏名
(代表者) 人間科学学術院 人間科学部 准教授 廣松 ちあき
研究成果概要

本研究の目的は、社会人歴515年程度の女性中堅社員を対象に、その経験学習の実態を把握し、経験学習を促進するための内省支援施策を検討することである。

出産・育児等で仕事経験に制約があった女性中堅社員25名に対して、半構造化インタビューを実施し、M-GTATEAを用いて質的分析を行い、女性中堅社員の内省の特徴と仕事観の形成プロセスについて探索的にモデルを検討した。

その結果、女性中堅社員の内省プロセスは、子育てにともなう仕事上の制約や不自由さに向き合い、自分の思い描くやり方で仕事ができない葛藤を通じて、<仕事を引き受けることへの腹落ち>を深め、自己の役割や自分にとっての仕事の意味づけを変化させて、仕事を継続する意思を強化していることが明らかになった。

また、仕事観の形成プロセスにおいては、女性中堅社員は想定外の抜擢と挫折、意図しない異動などの困難な経験や、出産・育児など仕事に全力を注げない制約を通じて自分の仕事観を自問自答する機会が増え、「自分の仕事観を自覚」するに至ったことが示された。

上記の結果については、次で発表した。

廣松ちあき2024)育児等で仕事経験に制約のある女性中堅社員の仕事経験と私的経験からの学びの質的研究.日本教育工学会研究会報告集2024 4 :249-256 (2024127日 岩手県立大学)

廣松ちあき2024)女性中堅社員の仕事観の形成プロセスに関する質的研究.日本教育工学会第45回全国大会講演論文集:301302202497日・東北学院大学)