表題番号:2024C-559 日付:2025/04/04
研究課題濡れ感覚形成に関連する神経基盤の解明
研究者所属(当時) 資格 氏名
(代表者) 人間科学学術院 人間科学部 助教 加藤 一聖
研究成果概要

本研究は、濡れ感覚の形成に関与する神経基盤の解明を目的としている。実験では冷刺激と組み合わせた濡れ刺激によって増強される主観的な濡れ感覚と、これに対応する脳活動の変化を解析することで、脳における濡れ感覚の形成メカニズムを明らかにすることを目指す。本年度の成果として大きく分けて、予備実験の実施、学会への参加・発表、本実験の環境構築が挙げられる。関連学会への参加、研究発表を行い、得られた議論やフィードバックをもとに、実験計画および刺激条件の再編を実施した。fMRIを用いた実験に必要な環境の整備を進め、実験プログラムの開発、刺激提示システムの調整を完了した。濡れ感覚を再現するための温度制御可能な刺激装置や、生体信号を正確に記録するためのセンサー類の準備も完了している。予備実験として、64 ch脳波を用いた実験を実施した。予備実験の結果から、提示する刺激の強度を変更しfMRIでの実験に向けプロトコルを計画している。現在は被験者実験の開始に向けた最終準備段階にあり、今後、MRIを使用した予備実験を進め、本課題の遂行に向けた準備を進めている。本研究課題で得られる結果を通じて濡れ感覚の脳における責任領域と感覚形成の神経基盤を明らかとする研究が可能となる。