表題番号:2024C-557
日付:2026/04/13
研究課題性的逸脱に関連する行動選択に影響を及ぼす衝動性に関する研究
| 研究者所属(当時) | 資格 | 氏名 | |
|---|---|---|---|
| (代表者) | 人間科学学術院 人間科学部 | 助教 | 西中 宏吏 |
| (連携研究者) | 早稲田大学大学院人間科学研究科 | 修士課程 | 宇佐見 理紗 |
| (連携研究者) | 早稲田大学大学院人間科学研究科 | 博士後期課程 | 大山 一樹 |
| (連携研究者) | 早稲田大学人間科学学術院 | 教授 | 嶋田 洋徳 |
- 研究成果概要
- 性的逸脱行動の経験を有する者の中には、日常生活場面における性的な刺激に対する反応との結びつきが強固なため、反応を制御することが困難な者が存在することが指摘されている(三住他,2021)。本研究では、性的な刺激に対する反応との結びつきの強い者の行動選択に関し、意思決定に伴う身体反応とそれを感知する内受容感覚の観点から検討することを目的とする。男性大学生26名(平均年齢21.58 ± 2.80歳)を対象に、S-T IAT(性的刺激と反応の結びつきの強さ)のスコア、意思決定前の皮膚電気反応、アイオワギャンブリング課題(意思決定)のパフォーマンスを測定した。本研究においては、性的刺激と反応の結びつきの強さは、意思決定および意思決定の際の身体反応、身体感覚への気づきへの関連を示さなかった。しかしながら、内受容感覚に敏感な者ほど合理的な意思決定が行われることが示され、特に、リスクのある意思決定を行う前の身体反応が生起しにくい者は、その傾向が顕著であった。本研究により、情動が強く喚起されるような(例えばリスクの高い)意思決定の際に危険信号としての身体反応が生起しにくい者であっても、内受容感覚が鋭いことで合理的な行動を選択できると考えられる。このことは、逸脱的な行動選択をする者においても、内受容感覚の訓練により、行動選択を修正するできる可能性を示唆する。しかしながら、大学生サンプルにおいては、内受容感覚、身体反応、意思決定の指標に対する性的刺激と反応の結びつきの強さの影響は認められなかった。今後の研究においては、性加害等の逸脱行動を経験した者を対象として、これらの関連について検討することが求められる。