表題番号:2024C-529 日付:2025/04/04
研究課題性的指向・性自認のあり方に関する量的分析—領域横断的研究に向けた研究
研究者所属(当時) 資格 氏名
(代表者) 社会科学総合学術院 社会科学部 教授 釜野 さおり
研究成果概要

本研究の目的は、性的指向・性自認のあり方(SOGI)や性的マイノリティを扱う量的調査研究の深化および領域横断的統合を進めることである。これまで、住民の誰もが対象になりうる調査や性的マイノリティをターゲットにした調査を数々実施してSOGIに関する量的データを収集してきたが、これらデータは十分に分析されていない状況であった。加えて、社会学・人口学以外の分野でも、SOGIを扱う量的研究が行われているものの、分野間の交流が少ないため、知見・経験が共有されないままであるという問題がある。

そこで、SOGIの量的研究に携わる・関心のある各分野の研究者、NPOで調査をする実務家等を含むネットワークを作ることを目指した。そのひとつの場として、早稲田大学総合研究機構においてSOGI調査研究所の設立申請を20246月に行った(設立は202410月)。また、本特定課題(研究基盤形成)の、外部資金へ応募するための研究基盤の形成を支援する、という目的に鑑みて、応募に向けた準備を行った。具体的には、性的マイノリティについての意識調査を行ったグループ、SOGIによる生活実態や意識の比較を可能とする調査を実施したSOGI人口学科研チーム、多様なカップルの関係性を調べる調査を行ったグループのそれぞれと調整し、今後、1つのチームとして共同体制で研究を進めることへの合意を得て、20249月に科研費(基盤研究A)に応募し、2025年度からの5年間の研究として採択されたところである。科研申請後は、それぞれのデータおよび調査資料の整備を進めた。