表題番号:2024C-520
日付:2025/03/31
研究課題バングラデシュ女性のエンパワメント―経済活動、安全、健康の複合アプロ ーチ
研究者所属(当時) | 資格 | 氏名 | |
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(代表者) | 社会科学総合学術院 社会科学部 | 講師 | 本間 まり子 |
- 研究成果概要
- バングラデシュでは、女子の早婚と教育の関係性が重視され、早婚を予防するための啓発活動がおこなわれてきた。既に早婚の違法性は広く認識されているが、社会経済的な要因により両親の手配による女子の早婚が継続的におこなわれてきている。一方、女性の主な死亡要因には、乳がんや子宮頸がんといった女性ならではの疾病且つ予防可能なものが上位を占めている。本研究は、これまで取られてきた社会経済的な側面に焦点を当てた啓発活動ではなく、女性/女子の健康という側面からの意識化のアプローチを用いることにより、早婚の抑制と女性の疾病予防を同時に促進することが出来るという仮説をたて、そのための教育アプローチの開発と有効性の検証を、現地のNGOを通じたアクションリサーチを通じておこなうことを目指している。本研究は、研究従事者自身がこれまでに実施してきたマイクロファイナンス事業の利用者の経済的エンパワメントに関する研究成果を展開する位置づけにある。さらにこれまでに、パッケージ作成のための情報収集および内容の検討をおこなってきている。2024年度は、科研費(若手研究)を取得することができたため、2回の渡航を通じて調査を進める予定であったが、政変による現地の治安の悪化により渡航の制約を受けた。そのため、政変後に1回のみ現地に渡航し、調査対象地として選定しているバングラデシュ北西部において、政変後の現地状況を確認した。さらに、保健や教育分野のNGO関係者および調査対象となる女性たちから聞き取りをおこない、現状やニーズに関する情報収集をおこなった。来年度は、2回渡航を通じて、ベースライン調査を兼ねた質問票調査の実施とアクションリサーチの開始を予定している。