表題番号:2024C-507 日付:2025/03/24
研究課題超並列単一細胞インジェクションデバイス
研究者所属(当時) 資格 氏名
(代表者) 理工学術院 大学院情報生産システム研究科 教授 馬渡 和真
研究成果概要
単一細胞用のインジェクションデバイスとして、マイクロ流体デバイスとナノホールアレイを組み合わせたデバイスを考案して、デバイス加工法について検討した。ナノホールアレイは100nmスケールの微小孔を規則的に形成した基板で、厚みは20um程度であり、薄く割れやすい。そのため、マイクロ流路デバイスの基板材料には、比較的ソフトな材料であるポリジメチルシロキサン(PDMS)を選定した。そして、PDMSとナノホールアレイの基板接合条件として、プラズマ処理後の基板接合にトライしたが、基板が薄く割れやすいために非常に困難であった。そこで、ナノホールアレイ基板を別基板に固定したまま接合するプロセスを考案した。このとき、下基板とPDMSが接合するのを防ぐことが重要である。そこで、下基板にはPDMSと接合しにくいテフロンを選定して、また、テフロンとナノホールアレイの固定には疎水性で乾燥しにくいイオン液体を選定した。その結果、厚み25umのナノホールアレイ基板とPDMSを接合できた。そして、PDMSの流路に液体を送液でき、400kPa程度の耐圧があることを確認した。今後は、このナノホールアレイから細胞へのインジェクションプロセスの開発に移行する。