表題番号:2024C-504 日付:2025/03/17
研究課題電動車両の特性を考慮した省エネ最適化計算と実車による検証
研究者所属(当時) 資格 氏名
(代表者) 理工学術院 大学院環境・エネルギー研究科 助手 方 亦園
研究成果概要
自動車の省エネ方法は、ますます重要となっている。その方法の一つとして、エコドライブは過去 20 年間にわたって大きな研究関心を集めてきた。多くの研究で、エコドライブは低コストで有効的な温室ガス排出削減・省エネ方法であることが示されている。しかし、従来の内燃機関車と大きく異なる電気自動車の普及と伴い、電気自動車に対するエコドライブ研究は課題となっている。
本提案は「電動車両の特性を基に省エネ速度変化最適化と実車走行検証による電費改善」を目指すものである。開発した電動車両の高精度電費シミュレータと速度変化パターン最適化アルゴリズムを使用し、電動車両用のエコドライブ速度パターン(省エネ運転/制御方法)を導出する(課題①)。また、これまで自動車省エネ運転の研究では、最適化手法によって導き出された結果を実際の実車走行実験によって詳細に検証し、工学原理を解析する先例は非常に少ない。申請者はこの工学検証が非常に重要であると考えており、本研究では電気自動車や燃料電池自動車等の各種電動車両を公道、シャシダイナモ等の道路環境で走行し、最適化結果の検証実験を行う(課題②)。計算と実験を緊密に結びつけることで、最適化結果の現実への適用効果をさらに確認し、提案省エネ運転方法の汎用性を高めることを目指す。
研究成果を下記の論文誌に投稿した.
[1] 方亦園,諸橋陽太,楊イ翔,紙屋雄史:電動大型車の電費改善のための速度変化パターン最適化計算ならびに実車シャシダイナモ試験による検証(第2報)-実測データに基づくバッテリ内部抵抗値と高電圧配線部抵抗値の導出ならびに同部位の損失の追加考慮-,自動車技術会論文集, Vol. 56, No. 1, 20254045, pp.122-127. 2025.