表題番号:2024C-500 日付:2025/04/04
研究課題生物活性を有する天然化合物のプローブ化および作用機序の解析
研究者所属(当時) 資格 氏名
(代表者) 理工学術院 大学院先進理工学研究科 助教 神平 梨絵
(連携研究者) 先進理工学部 教授 中尾 洋一
研究成果概要

海洋天然化合物は多彩な構造によりさまざまな生物活性を有するが、その作用機序が明らかになった例は限られている。海洋天然化合物を医薬品候補化合物や研究ツールとして活用するためには、それらの有する作用メカニズムを明らかにすることが必要である。本研究では、生物活性を有する海洋天然化合物を基にした化学プローブを合成し、それらを用いて細胞内局在や標的タンパク質の探索を行って作用メカニズムの解析を試みた。マウスES細胞に対する生物活性が認められた海洋天然化合物につい、水酸基に着目して化学プローブの合成試みた。海洋天然化合物は、構造の複雑さから全合成に至っていないものも多く、化合物量が限りがある。先に述べたように、化合物量に限りがあるため、反応条件の検討には構造が類似した市販の環状ペプチド(以下、YM)を用いた化合物を基に①細胞内局在を解析するための蛍光標識プローブの作成、②リンカー分子を導入した標的分子探索用プローブの合成を試みた。蛍光色素FITCYMDMF中で混合し、反応をTLCで追い20時間まで反応させた。反応液をODSカラムクロマトグラフィーに付し、得られた画分をTLCを用いて分析したが、目的とするプローブは得られなかった。一方、②に関してはYMとリンカー試薬としてIsothiocyanate-PEG3-azideを用いて条件検討を行ったものの目的物は得られなかった。現在は、propargyl bromideを用いたアセチレン基の導入および、リンカー試薬propargyl-PEG5-NHSとの反応によるプローブ作製に取り組んでいる。