表題番号:2024C-495
日付:2025/04/11
研究課題多波長天文学で探る超巨大ブラックホール探査
研究者所属(当時) | 資格 | 氏名 | |
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(代表者) | 理工学術院 国際理工学センター(理工学術院) | 准教授 | 市川 幸平 |
(連携研究者) | KIAA | Associate professor | 稲吉恒平 |
- 研究成果概要
JWST観測により、極めて狭い探査領域から予想を超える数の低光度活動銀河核(AGN)がz>4で多数発見され、その数密度は1e-4〜1e-5 Mpc^-3に達した。これはz~6の高光度AGN(クエーサー)の典型的数密度(1e-8 Mpc^-3)より3桁高く、想定よりも高い超巨大ブラックホール(SMBH)の質量密度を示唆する。これを説明するには、(1) z > 4のSMBHは異常に高い放射効率を持つ(=極端なスピンが必要)か、(2) AGNの光度に銀河成分の寄与が含まれており、結果として極端な星質量を仮定する必要がある、の2つしかない。前者では銀河合体によるスピンのランダム化を防ぐ特殊な降着環境(例:シート状構造)が必要となり、後者ではlambda-CDMモデルでも再現困難な大質量銀河を想定する必要がある。本研究は、JWSTで発見されたAGNがz > 4宇宙モデルに与える制約に初めて注目したものである。市川は本研究において、KIAAの稲吉氏と共にアイデア・解析・執筆を担当し、第2著者である。