表題番号:2024C-490
日付:2024/11/06
研究課題減数分裂と配偶子形成における分子機構の解明
研究者所属(当時) | 資格 | 氏名 | |
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(代表者) | 理工学術院 先進理工学部 | 教授 | 佐藤 政充 |
- 研究成果概要
減数分裂はすべての真核生物に保存された有性生殖システムである。我々は、酵母およびマウスにおいて、これらの過程に細胞内のタンパク質構造である微小管の新機能について追究する。酵母の減数分裂では放射状に伸長する微小管を発見しており、これが染色体の配置を転換させることで減数分裂を安全に遂行させることを見いだしている(Kakui et al. Nature Cell Biology 2013)が、そのせいで通常の体細胞分裂と比べて紡錘体形成を遅らせる必要がある。本研究の結果から、減数分裂に特有の染色体構造が、紡錘体形成を遅らせることに貢献していることを見いだした。すなわち、動原体の構造が通常のback-to-back構造から、減数分裂特有のmono-orientation構造になっていることがひとつの原因であり、このmono-orientationによって微小館内に斥力が発生せず、そのせいで紡錘体形成が遅れることが分かり、酵母遺伝学フォーラムにおいて学会発表をおこなった。また、マウスでは卵母細胞が成熟する過程に、紡錘体とは異なるかたちで微小管が働き、これが卵母細胞の成熟に重要な意味を果たすであろうことを見いだした。具体的に特定の微小管結合タンパク質に変異があると、この微小管形成に欠陥があり、卵成熟の異常に至ることがわかった。本件は日本細胞生物学会にて成果を発表した。