表題番号:2024C-488
日付:2025/03/31
研究課題人工シナプスオーガナイザーCPTXの細胞外投与がシナプスに与える影響
研究者所属(当時) | 資格 | 氏名 | |
---|---|---|---|
(代表者) | 理工学術院 先進理工学部 | 助手 | 趙 伯驍 |
(連携研究者) | 先進理工学部 | 教授 | 坂内 博子 |
(連携研究者) | 先進理工学部 | 講師 | 櫻木 繁雄 |
(連携研究者) | 先進理工学部 | 助教 | 高橋 俊樹 |
- 研究成果概要
私はラット海馬神経細胞の初代培養系において、シナプスGluA1含有AMPA受容体(GluA1)とシナプス後足場タンパク質PSD-95に対する細胞外CPTXの効果を、免疫蛍光染色法で検討しました。71.4 nMのCPTXを1日処理することで、GluA1クラスターの蛍光強度が大幅に増加し、PSD-95クラスターの強度やサイズも有意に上昇しました。このことはCPTXによってAMPA受容体の膜表面発現が促進され、PSD-95をシナプス後密度にリクルートする可能性を示唆します。本研究成果は国際学会IUPAB2024で報告しました。
さらに、量子ドット1分子イメージング法を用いて、細胞外タウがGluA2含有AMPA受容体の側方拡散を増大させ、クラスター密度を変化させる決定的なデータを得ました。私はこれを足がかりに、断片的だった細胞外タウのシナプスへの影響データを再検証し、すべてを説明できるモデルを構築して原著論文としてまとめつつあります。
さらに、研究室の櫻木繁雄講師が進めるOptoTau開発プロジェクトでは、ゲノム編集によるOptoTauノックイン細胞のタウ局在イメージングや定量解析を担当し、論文の質向上に貢献しています。このプロジェクトの成果は国際学会IUPAB2024で報告され、欧文誌「Biophysics and Physicobiology」にも掲載されました。