表題番号:2024C-483 日付:2025/01/18
研究課題AIアプタマー創薬の高度化
研究者所属(当時) 資格 氏名
(代表者) 理工学術院 先進理工学部 教授 浜田 道昭
研究成果概要

前年度に開発したRNAアプタマーの生成AIであるRaptGenのユーザビリティを向上させるためにユーザインターフェースRaptGen-UIの開発を行いまいた。

RaptGen-UIは、RNA アプターマーの同定と最適化のための対話型インターフェースを提供するソフトウェアです。このシステムは、SELEXデータセットで学習された変分オートエンコーダー(VAE)における潜在空間ベイズ最適化を活用し、計算機の専門知識を持たない実験研究者でも効率的にRNAアプターマーの同定と最適化を行うことを可能にします。

本ソフトウェアは、VAEトレーナー、VAEビューワー、ベイズ最適化モジュールの3つの主要コンポーネントから構成されています。これらのモジュールを通じて、SELEXデータの学習、潜在空間の可視化、およびアプターマー配列の最適化を一貫して実行できます。技術的には、Next.jsとTypeScriptによるフロントエンド、FastAPIとPythonによるバックエンド、そしてDockerコンテナによる容易なデプロイメントを特徴としています。

さらに、ローカル環境での実行を前提とした設計により、データの機密性を確保しつつ、GPUとCPU両環境での実行に対応しています。本ツールは既にCOVID-19のスパイクタンパク質に対するアプターマー(SPA1)の同定など、実際の創薬研究での活用実績があり、特に緊急の治療ニーズに対応する創薬研究において、有用なツールとして期待されています。