表題番号:2024C-480 日付:2025/04/04
研究課題心筋分化誘導活性メカニズム解析のためのアプラトキシンプローブ開発研究
研究者所属(当時) 資格 氏名
(代表者) 理工学術院 先進理工学部 教授 中尾 洋一
(連携研究者) 早稲田大学 准教授(任期付) 山本佳奈
研究成果概要

 アプラトキシンを基盤とするプローブ合成にあたり、3部位(ペプチド部位、システイン部位、およびポリケチド部位)に分けた標的物の合成経路について、4つの不斉中心が集結し最も合成の困難なポリケチド部位の合成経路が完成した(9段階、全収率9.3%)。また、合成最終段階の条件検討に用いるモデル化合物を兼ねて、それぞれの部位について天然型以外に非天然型をデザインし、その組み合わせで当初に予定していたケミカルプローブの他、天然物および2種の誘導体の合成を計画した。それに伴い各部位の量的供給が必要となったため、ペプチド部位に関しては天然型~1 g、非天然型~0.4 g;システイン部位については天然型~1 g、非天然型(前駆体)~0.8 g、ポリケチド部位については天然型~80 mg;非天然型①~300 mg;非天然型②~0.5 gの合成をそれぞれ達成した。

 最終段階では3部位を順番に縮合していくが、最長直線工程数を短く抑えるため、二通りの経路について、モデル化合物を用いて検討した。これまでのところ、より短い経路では3部位の縮合には成功したが,検討した条件ではチアゾリンの構築が進行しなかった。一方、もう一方の経路では,マクロ環化前駆体までの誘導に成功した。現在,前者の経路では別のチアゾリン環形成反応を検討しつつ、後者でのマクロ環化条件をスクリーニングしている。また、天然型ポリケチド部位の絶対量が不足しているため、ラージスケールで合成中である。