表題番号:2024C-477 日付:2025/04/03
研究課題重力崩壊型超新星の空間三次元ニュートリノ輻射輸送計算結果の重力波解析
研究者所属(当時) 資格 氏名
(代表者) 理工学術院 先進理工学部 講師 岩上 わかな
(連携研究者) 早稲田大学 教授 山田章一
(連携研究者) 茨城工業高等専門学校 助教 原田了
研究成果概要
重力崩壊型超新星は大質量星が一生の最期に起こす大爆発である。中心から放出されるニュートリノが周囲の物質にエネルギーを与えることで爆発すると考えられている。しかし、その爆発メカニズムは完全に解明されてはいない。ニュートリノ輻射流体計算を行い、様々な親星モデルや状態方程式について重力崩壊から爆発までを計算し、その結果を解析する必要がある。そして、その結果は重力波観測により検証されなければならない。一般に、空間三次元における重力崩壊型超新星計算はコストが高いため、ニュートリノ輻射輸送計算では近似を適用する。しかし、近似法を利用した数値計算の結果がどの程度正しいのかは明らかになっていない。そこで、本研究では、ニュートリノ輻射輸送を厳密に解くことができるボルツマン方程式を解くボルツマンハイドロコードを利用し、重力崩壊型超新星の空間三次元計算を行った。その結果を利用して、バウンス後150msまでの物質起源の重力波を計算した。爆発初期に発生する原始中性子星内部の対流では大きな振幅の重力波が発生するが、その後150msにかけて原始中性子星内部の対流が弱くなり、重力波の振幅は小さくなっていくことがわかった。