表題番号:2024C-470
日付:2025/02/27
研究課題バブルテンプレート法によるミクロ-マクロ多孔体の合成
研究者所属(当時) | 資格 | 氏名 | |
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(代表者) | 理工学術院 先進理工学部 | 講師 | 酒井 求 |
- 研究成果概要
ゼオライトや有機金属構造体といった多孔体は、CO2回収および転換反応を省エネルギー化するための、分離材料・触媒として広く研究されている。これらの材料は、その構造中に主として2 nm以下の極めて小さな孔をもち、特異な分離・反応場形成に寄与している。また、これらの材料中に、大きさの異なる孔を購入することで、分離材料・触媒としての特性をチューニングできることが知られている。本研究では、溶液中に発生させた泡を鋳型として、マクロ孔を導入したゼオライトや有機金属構造体の合成手法を開発する。泡の密度やサイズ、ガス種等が細孔構造に与える影響について検討した。
ウルトラファインバブルを含む水溶液中で、LTA型、FAU型ゼオライトおよび有機金属構造体の一種であるZIF-8の合成を行った。得られた結晶の結晶化度および形態をXRD、FE-SEMを用いて評価した。
それぞれの結晶の結晶化度については、ウルトラファインバブルの有無によって変化が見られなかった。結晶形態は、ファインバブルが存在することで変化が見られた。ただし、当初想定していたファインバブルの径と同等のマクロ孔の導入には至らなかった。今後は、その原因について明らかにするため、結晶化速度と水中でのファインバブルの寿命について、詳細な検討を進めることが必要である。