表題番号:2024C-458 日付:2025/04/03
研究課題進化型計算手法を用いた動的フレキシブルジョブショップスケジューリング
研究者所属(当時) 資格 氏名
(代表者) 理工学術院 創造理工学部 教授 谷水 義隆
研究成果概要
製造企業では,高い生産性を維持するために,最適な生産スケジュールを作成し,適切に運用することが求められている.しかし,実際の製造現場では,作業の遅延や特急仕事の追加など予測できない外乱が頻繁に発生する.そのため,事前に作成した最適な生産スケジュール通りに運用することは困難になる場合が多い.
そこで,本課題申請者はこれまでに,ジョブショップスケジューリング問題に対して,遺伝的アルゴリズムを用いて,予測できない外乱が発生した場合に生産スケジュールを逐次改善する,リアクティブスケジューリング手法を提案してきた.
本研究では,より複雑なスケジューリング問題として,フレキシブルジョブショップスケジューリング問題を対象として既存のリアクティブスケジューリング手法を拡張した.フレキシブルジョブショップスケジューリング問題は,各作業に対して割り当てることができる加工機械や作業者が複数存在する.そのため,より複雑な問題になることが知られている.そこで本研究では,この問題の解法として,製品の投入順序だけではなく,機械や作業者への割り当てに対して進化型アルゴリズムを適用する手法を提案した.この手法では,各作業の機械(リソース)への割り当てを進化型アルゴリズムによって探索するために,実数値で表されたリソース染色体によるコーディングおよびデコーディング手法を提案した.さらに,本提案手法の有効性を検証するために計算機実験を行った.これにより,遺伝的操作で致死遺伝子は生成されないことを示し,効率的により良い生産スケジュールが作成できることを示した.