表題番号:2024C-437
日付:2025/03/30
研究課題高効率・長寿命希土類フリー赤色蛍光体の創製
研究者所属(当時) | 資格 | 氏名 | |
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(代表者) | 理工学術院 基幹理工学部 | 教授 | 山本 知之 |
(連携研究者) | University of Tartu | 教授 | Mihail G. Brik |
(連携研究者) | National Academy of Science of Tajikistan | 研究員 | Zafari Umar |
(連携研究者) | Chongqing University of Post and Telecommunications | 研究員 | Mekhrdod S. Kurboniyon |
(連携研究者) | 早稲田大学 基幹理工学研究科 材料科学専攻 | 修士課程学生 | 平野萌 |
- 研究成果概要
蛍光体材料は有機系と無機系に大別されるが,長期利用に適する無機系に限定した場合,多くの蛍光体材料では発光中心となるイオンをバンドギャップが大きいホスト材料に微量添加して実現されている.その発光中心となる添加イオンには主に希土類元素が用いられているが,希土類元素は高価かつ産地の偏りもあり,希土類元素を用いない希土類フリー化が求められている.近年の希土類元素を3d遷移金属元素で置換した高効率蛍光体が活発に研究されており,本研究では,高効率かつ農業利用を見据えた長寿命希土類フリー赤色蛍光体の創製を目指している.発光中心となるイオンとしては,MnおよびCrを主な候補として,ホスト材料には長寿命化を目指して酸化物を採用した材料創成を進めて行く.これまでの研究において,発光中心イオンに加えて,第3の元素添加により発光中心イオンの局所環境に歪みを与えて発光特性の向上を達成できた成果もあるので,第3の元素添加が発光特性に及ぼす影響についても詳細に検討を進めた.
また,第一原理計算を用いて発光中心となるMnおよびCrイオンの局所環境解析,および励起状態を考慮した電子状態計算により発光中心イオンに起因する準位形成に関する重要な知見を整理することができた.
これらの成果を国内の学会,国際会議,国際学術論文として発表した.