表題番号:2024C-424 日付:2025/03/15
研究課題切り紙型熱電発電デバイスにおける伝熱特性の解明
研究者所属(当時) 資格 氏名
(代表者) 理工学術院 基幹理工学部 講師 寺嶋 真伍
(連携研究者) 早稲田大学 教授 岩瀬英治
(連携研究者) 東京大学 教授 塩見淳一郎
(連携研究者) 統計数理研究所 特任准教授 大西正人
研究成果概要
本年度の研究は,切り紙を基板構造として採用した切り紙型熱電発電デバイスに関するもので,研究内容は,(1)伝熱特性の調査,(2)曲げ・伸縮変形耐性に関する評価とした.研究項目(1)に関しては,はじめにIRカメラを用いて温度分布を計測した結果,熱電素子内に生じる温度差は30℃程度であった.一方で,実験からわかる電圧を用いて,理論的な温度差を計算すると,40~44℃の温度差が生じるはずである.そこでIRカメラを用いた温度差計測結果を問題視し,直径0.1 mmの細線タイプの熱電対を用いて温度分布を直接計測した.結果として,43℃の温度差を計測でき,理論値との整合性を確認した.一方で研究項目(2)に関しては,12対のアレイ状切り紙型熱電発電デバイスを繰り返し曲げ試験,および繰り返し伸縮試験を行った.繰り返し変形試験の前後で出力性能は全く変化しなかった.したがって,たとえヒトの皮膚のように繰り返し曲げ変形や伸縮変形する熱源面であっても,安定して発電可能であることを把握した.