表題番号:2024C-405
日付:2025/01/26
研究課題周作人と「苦雨斎」に集った作家たち
研究者所属(当時) | 資格 | 氏名 | |
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(代表者) | 商学学術院 商学部 | 教授 | 小川 利康 |
- 研究成果概要
- 本年は周作人研究の裾野を広げるため、申請者が主催する周氏兄弟研究会を主体として、2024年10月26、27日の両日にわたり、東北大学(片平キャンパス)で「魯迅仙台留学120周年記念国際シンポジウム」を開催した。このシンポジウムには中国の魯迅、周作人研究者の全国組織である魯迅研究会の協力を要請し、中国からは同研究会の会長で中国社会科学院教授である董炳月氏のほか9名を招聘した。このほか台湾からは台湾大学教授劉正忠氏、オーストラリアからはJon Von Kowallis氏を招いた。日本国内からは藤井省三東京大学名誉教授、長堀祐造慶應義塾大学名誉教授のほか8名が論文発表者として参加し、コロナ禍以来久方ぶりに開催された大規模な国際シンポジウムとして話題を呼んだ。今回、中国から招聘を受ける研究者の事情で会議名称は、魯迅のみを冠しているが、実際に発表された論文のうち、魯迅に関する研究が12本、周作人に関する研究が7本であり、周氏兄弟研究のうえでは双方の研究者にとって裨益するものであったといえる。申請者もこれまでの研究を踏まえ、「周作人与厭女症(周作人とミソジニー)」と題した論文で報告を行った。このなかで問題とするのは、雑誌『駱駝』刊行時期にあたる1925年に周作人が陳源ら現代評論派との間で行った女子師範大学に関する論争であった。久しく中国からの研究者との交流が途絶えていたが、今回のシンポジウムを通して長時間にわたり交流を行うことが出来、研究上でも大変有益であった。なお、現在、記念論文集の刊行を準備中である。