表題番号:2024C-391 日付:2025/02/04
研究課題探検家資料による言語研究:Langues des peuples non chinois de la chineを例として
研究者所属(当時) 資格 氏名
(代表者) 教育・総合科学学術院 教育学部 教授 西田 文信
研究成果概要
19 世紀から20世初頭にかけて欧州の探検家によるアジア遠征の報告書の中に、訪問した現 地語の語彙を収集・記録したものがいくつか見られる。本研究は清末にフランスの学者・探検家アンリドローヌが3年かけて四川省・ 貴州省・雲南省を踏破したした際に記録した45の言語・方言の328項目にわたる対照語彙集 である Langues des peuples non chinois de la chine, par le commandant d'Ollone, le Capitaine de Fleurelle, le Capitaine Lepage, le Lieutenant de Boyve (Documents scientifiques de la Mission d'Ollone, 6) Ernest Leroux (1912) 所載の諸言語語彙について、それらが依拠する言語・方言の諸相を明 らかにするための基礎的研究である。
今年度は、先ず本書執筆の意義、歴史的背景等を考察し、その後収録されている各語彙に関 して中国で出版されている地誌やこれまで出版された当該地域で話されている諸言語の文法 書・語彙集・関連論文や《藏缅语语音和词汇》(1991)、《 藏 緬 語 族 語 言 詞 匯 》 (1992)及び発表者 自身の収集した語彙データと照合する作業を行った。当初の予定では当該書所載のナムイ語語彙の基礎方言 となった地点の同定まで行うはずであったが、家族の介護の必要性が生じ進捗は遅れ気味であった。しかしながら本研究の中間報告的な意味合いの成果を下記講演会やシンポジウムで研究発表することができた。来年度以降もナムイ語及び他言語にも焦点を当て引き続き同様の作業を継続する予定である。