研究者所属(当時) | 資格 | 氏名 | |
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(代表者) | 教育・総合科学学術院 教育学部 | 教授 | 松永 典子 |
- 研究成果概要
特定課題「モダニズム/モダニティにおけるエイジング研究」の当初の目標は、二つの国際学会にて研究発表し、モダニズム研究をモダニティという時間性から再考することにあった。まず、2024年5月に香港大学で開催された国際学会Modernism between Past and Future (The Third International Conference of the Modernist Studies in Asia Network主催)では、モダニズムやジェンダー研究など様々な視点から論じられてきたヴァージニア・ウルフの『ダロウェイ夫人』をエイジング研究から考察した。ここではフェミニズム研究における世代(波)の視点を加えることによってエイジング研究の意義がさらに深化しうることを指摘した。次に、2024年12月にソウル大学校で開催されたRethinking the Global in English Studies (the 70th Anniversary International Conference of the English Language and Literature Association of Korea主催)で、ウルフのライフライティング批評をコモンの可能性から論じるとともに、現代の若者の手段と考えられているソーシャルネットワークとの関係から考察した。本研究助成の収穫は、第一に当初の予定どおり二つの研究発表をおこなったことであり、第二にジェンダー・時間性・モダニティという研究の更なる可能性を指摘することができたことである。さらに第三に、本研究助成によっておこなった研究発表をきっかけに、Xi’an Jiaotong-Liverpool Universityでの講演に招待され、さまざまな形で学術交流が実現したことである。