表題番号:2024C-378
日付:2025/02/04
研究課題近世・後期読本 ―山東京伝読本の分析と再評価ー
研究者所属(当時) | 資格 | 氏名 | |
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(代表者) | 教育・総合科学学術院 教育学部 | 助手 | 小林 俊輝 |
(連携研究者) | 和光大学 | 准教授 | 稲葉有祐 |
(連携研究者) | 埼玉大学 | 教授 | ビュールク・トーヴェ |
(連携研究者) | 昭和女子大学 | 専任講師 | 荻原大地 |
(連携研究者) | 早稲田大学 | 大学院生(博士後期課程) | 劉欣佳 |
- 研究成果概要
- 申請者は2024年度より初めて研究職に着任した。そのため、研究書や機器等をほとんど所有しておらず、研究環境の整備が目下求められた。特定課題の研究費は上記の問題を大きく解消した。申請者の研究する近世(江戸時代)の文学ジャンルのひとつ「後期読本」は、多くの典拠を参照してつくられた長編小説であり、その正確な理解には膨大な資料を要する。特定課題の研究費を使うことで申請者は、『山東京伝全集』をはじめとする翻刻資料や、研究者の著書を多く購入した。それにより、申請者が専門としている山東京伝の読本の作品分析を進めるにあたって、これまで以上の知見を得ることが可能となり、研究活動が格段に捗った。また、共同研究を行っている連句の注釈においても、詠み手が様々な資料を題材としており、中には演劇に由来する難解なものが多いのだが、得られる資料の幅が広がったことで同様の効果が得られ、より緻密な解釈に至った。さらに、本研究費によって10年間使い続けてきたWindows11にアップグレードできない個人の古いパソコン(セキュリティ上、Windows10のサポートが終了する2025年の10月に限界を迎える)を新調し、印刷やスキャンを一台でできる複合機を購入したことをはじめ、ハード面での環境整備が叶った。それにより、調査によって得た素材を整理して学会や研究会での発表資料や論文へ反映するにあたって、利便性が大きく向上した。今年の研究成果は、別の項目に詳細を記載したように、日本近世文学会の口頭発表1回、俳文学会東京研究例会での口頭発表1回。その成果を論文化したものとして、『演劇研究』の投稿論文2本(掲載済み1本、掲載確定1本。共に共著)と、『近世文藝』への近日投稿予定1本(単著)の合計3本が挙げられる。申請者は本研究費で得た書籍や機器を次年度以降も活用することで、研究目的の達成に向けて邁進していく所存である。