表題番号:2024C-372
日付:2025/02/13
研究課題Motivated Strategies for Learning Questionnire (MSLQ) 日本語版の作成
研究者所属(当時) | 資格 | 氏名 | |
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(代表者) | 教育・総合科学学術院 教育学部 | 教授 | 上淵 寿 |
- 研究成果概要
Motivated Strategies for Learning Questionnaire (以下,MSLQ; Pintrich et al., 1993) は,作成されてかなりの年月が経っているが,現在でも自己調整学習の最も重要な測定尺度として,国際的に使用されている。
しかし,日本で宮部他 (2016) による,MSLQの部分である「動機づけ尺度」の翻訳の試みがあるぐらいである。だが,その訳文は日本語としてやや生硬な箇所が散見される。
そのために本研究では,MSLQ「全体」についての日本語として不自然ではない翻訳版を作成することを目的とした。
日本語版MSLQは,次のプロセスを踏んで作成を行った。1) 日本語版MSLQの作成の許可を得た。2) 原尺度(英語)の日本語への翻訳,3) 日本語に翻訳したものを再度英語に翻訳するバックトランスレーション,4) 原尺度とバックトランスレーションした英文を比較検討し,日本語に翻訳したものを修正する作業である。2)~4)は,翻訳業者に依頼して進めた。2)~4)のいずれも,研究者とは異なる第三者で,英語と日本語に堪能で心理学に詳しい,段階ごとに異なる人物が担当した。さらに,出来上がった日本語版尺度を改めて研究者が調べて,原尺度との異同や,日本語として熟れた表現かどうかを繰り返し検討した。
そして,原尺度と同様に81項目,2つの下位尺度(動機づけ,学習方略)で日本語版MSLQを作成した。