表題番号:2024C-360
日付:2025/04/11
研究課題中世大和国宇智郡関係史料の蒐集と分析
研究者所属(当時) | 資格 | 氏名 | |
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(代表者) | 文学学術院 文学部 | 准教授 | 下村 周太郎 |
- 研究成果概要
- 本研究は研究代表者として2023年度までに実施してきた、旧・大和国宇智郡(現・奈良県五條市)に関する一連の共同研究、すなわち、「文書群復元と歴史的景観復元の融合による栄山寺および栄山寺領の総合的研究」(科学研究費補助金・基盤研究(B))、「中世大和国宇智郡関連史料の研究資源化―栄山寺を中心に―」(東京大学史料編纂所・一般共同研究)、「大和国宇智郡所在寺院史料の研究資源化―金石文を中心に―」(東京大学史料編纂所・一般共同研究)、「高度情報化による古代中世の寺院および荘園の総合的研究―額田寺伽藍並条里図と栄山寺寺領文書を中心に―」(国立歴史民俗博物館共同研究・基盤研究・館蔵資料型)の活動の延長にあって、これまでの調査・研究の成果を総括しつつ、これからの調査・研究の課題を考えるために実施したものである。これまでは、宇智郡の中でも栄山寺・栄山寺文書・栄山寺領ないし栄山荘・栄山氏を主たる研究対象としてきた。本研究でも引き続きこれらの調査・研究に取り組んだが、これにとどまらず宇智郡内の他の地域・寺社・氏族についても本格的な検討を進めた。特に、二見郷・坂合部郷・野原郷(野原荘)や三箇氏・三箇荘を対象に、史料の読解、現地景観の調査、関連史料の探索などを行い、先行研究では不明瞭であった三箇と三宅の関係について両者が別物であることや野原郷内にかつて三宅村が存在したことを明らかにするとともに、小字名の調査から三宅村の範囲を比定するなど新たな成果を得ることができた。