表題番号:2024C-349
日付:2025/04/11
研究課題至高体験のフィールド計測を実現する生理計測手法の開発
研究者所属(当時) | 資格 | 氏名 | |
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(代表者) | 文学学術院 文学部 | 准教授 | 片平 建史 |
- 研究成果概要
至高体験を「フロー状態」と「畏敬の念」の2面から捉え、それぞれの心的状態を、実環境内で言語報告に頼らずに測定する手法を検討している。
今年度は昨年度に引き続き、「畏敬の念」に強い関連性が指摘される生理反応である鳥肌に着目し、これを指標として活用すべく計測手法の開発に従事した。目標は先行研究を参考に作成した計測プログラムを実環境で運用可能な機材に実装することであった。
昨年度はウェアラブル機材の開発に適した小型のシングルボードPC であるRapsberry Pi Zeroで計測プログラムを実行することに成功したが、課題として、計測サンプリングレートが2Hz程度であり最低限のモニタリング機能を備えることが限界であった。今年度はより高性能な後継機種であるRapsberry Pi Zero 2 Wを導入するとともに、プログラムを最適化することで、サンプリングレートの向上を実現した。また、同システムを核とした鳥肌計測機材を作成にも取り組み、部材の選定、構造の設計、3Dプリントでの外装の出力を行った。最終的に、鳥肌の計測が可能なウェアラブル機材のプロトタイプが完成した。
今後は機材の機能の追加を行い、高機能な鳥肌計測システムの開発を目指す。