表題番号:2024C-302
日付:2025/04/04
研究課題関係主義的な政治理論の再検討
研究者所属(当時) | 資格 | 氏名 | |
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(代表者) | 政治経済学術院 政治経済学部 | 助教 | 押谷 健 |
- 研究成果概要
- 本研究の目的は、T.M.スキャンロンの契約主義に代表される関係主義的道徳理論を発展させることで、現代社会が直面する規範的問題に対して応答できる非帰結主義的政治理論を構築することである。2024年度は、道徳哲学・政治哲学における非帰結主義的アプローチの妥当性について主に検討を進めた。とくに、近年の規範倫理学において議論されている「集計(aggregation)」の問題についての研究に取り組んだ。集計の問題とは、個人の利益と、社会全体の幸福が対立した場合に、常に全体の幸福を最大化する選択を取ることが規範的に正当であるといえるのかという問題である。これらの研究の成果については、その一部を学術論文として国際ジャーナルにおいて公表したほか、国内でのワークショップ、および国際学会において報告した。また、これと併行して、契約主義に関するこれまでの研究の成果を複数の学術論文としてまとめ、国際ジャーナルに投稿した。