表題番号:2024C-299 日付:2024/11/16
研究課題1593年フィリピン総督の外交使節とフランシスコ会の日本宣教活動の開始について―アルバレズ・タラドリスの研究を踏まえて―
研究者所属(当時) 資格 氏名
(代表者) 政治経済学術院 政治経済学部 准教授 マルティ・オロバル ベルナット
研究成果概要
16世紀と17世紀の日本でキリスト教宣教を研究すると、主にイエズス会の活動に焦点が集まる。しかし、近年、イエズス会に続いて来日する托鉢修道会への関心も高ってきた。特に、托鉢修道会が宣教活動を開始する法的根拠や、イエズス会との間の貿易政策、軍事活動、布教方法の相違点についての研究が進んでいる。この研究分野で重要な貢献を行った学者はホセ・ルイス・アルバレス・タラドリス(1910-1995)であった。彼は1950年から1990年代にかけて、フランシスコ会の来日やイエズス会との対立に関連する多くの第一史料を編集した。本研究では、アルバレス・タラドリスが編集した史料だけでなく、彼の論文で紹介するがまだ詳しく調査されていない、スペインの文書館に保管される史料も調査しながら、彼の生涯に関する研究も行った。具体的には、2024年7月にメディナ・デル・カンポに移動し、アルバレス・タラドリスの墓地を訪れる後、彼の家族と面会した。その後、マドリードのフランシスコ会イベロ・オリエンタル史料館で研究調査を行った。最後に、アルカラ・デ・エナレス文書館でアルバレス・タラドリスの生涯に関するデータを集めた。これらの史料を基に、アルバレス・タラドリスの生涯と研究活動に関する知識を深めながら、フランシスコ会の来日、初期の宣教活動、及びイエズス会との関係について研究を進めた。